Hyparは、米国のHypar, Inc.が提供する、建築の初期設計向けの空間計画(スペースプランニング)ソフトです。ブラウザで動き、クライアント(施主)のプログラム(必要な部屋と面積の一覧)をもとに平面の案を作り、クライアントと一緒に見ながら決めていく使い方に向けて作られています。
公式サイトは自社の製品を「Space Planning Software for Building Buy-In」(合意形成のための空間計画ソフト)と紹介しています。プランは、無料のPersonal、クライアントの案件向けのProfessional、20席以上の事務所向けのStudioの3つです(2026年9月現在)。
Hyparとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | Hypar |
| 提供元 | Hypar, Inc.(米国) |
| カテゴリ | AI建築 / 初期設計の空間計画(スペースプランニング) |
| 主な機能 | プログラムの取り込みと面積の集計、デザインオプション、クリアランスのチェック、AIによる編集・レイアウト提案、共同編集、Revitへの書き出し |
| 対応OS | Web |
| 表示言語 | 英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・日本語 |
| 料金 | Personal 無料、Professional $100/ユーザー/月(年払いは$1,000/ユーザー/年)、Studio 20席〜は要問い合わせ(2026年9月現在) |
| 公式サイト | hypar.io |
Hyparは、建築家やエンジニアが、テストフィット(必要な部屋が敷地や既存の建物に収まるかの検討)、空間計画、初期のデザインオプションを作るためのソフトです。公式ドキュメントは使う人として、建築家・エンジニアのほか、初期の計画をRevitやRhinoのワークフローと事務所の標準につなぐBIMマネージャーや、医療・教育・オフィス・商業・集合住宅・データセンターなどの建物を計画する人を挙げています。
作業は、敷地の図面やプログラムを取り込み、部屋・動線・ドア・窓・家具を配置して案を作り、クライアントに見せながらその場で直し、Revitへ渡して実施設計に進む流れです。提供元のHypar, Inc.は米国カリフォルニア州カルバーシティにあり、公式サイトの「Who we are」では、Revit向けのビジュアルプログラミングツールDynamoを作ったIan KeoughがCEO・共同創業者として紹介されています。
料金プラン・ライセンス形態
Hyparは、無料のPersonalと、有料のProfessional・Studioの3プラン構成です。料金は米ドル建てです(2026年9月現在)。
| プラン | 料金 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| Personal | 無料(クレジットカード不要) | 学生・評価用。プロジェクト3件・デザインオプション1件まで、DXF・画像・PDFの読み込み、AIによる編集・レイアウト提案、画像・PDF・Revit・Rhino・Excelへの書き出し |
| Professional | $100/ユーザー/月(年払いは$1,000/ユーザー/年=月あたり$83) | クライアント案件向け。Personalの全機能+プロジェクト・デザインオプション無制限、DWG・レーザースキャン(LAZ・LAS)の読み込み、クリアランスのチェック、ライブラリの保存・共有、ライブリンクでの共有、DWG・DXFの書き出し |
| Studio | 要問い合わせ(20席〜、請求書払い) | Professionalの全機能+導入前のパイロット、シングルサインオン(SSO)、オンボーディング・トレーニング、専任のサポート窓口、席数に応じたボリューム価格 |
Personalは評価と学習のための無料プランで、報酬を受け取るクライアントの案件にはProfessionalが必要です。有料の席が要るのは編集する人だけで、ほかの人はライブリンクを開けばブラウザで計画を確認できます。Professionalの席は、アカウントメニューの「Manage Subscription」からいつでも追加・付け替えができます。
動作環境・システム要件
HyparはWebブラウザで使うソフトです(2026年9月現在)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用形態 | Webブラウザ(hypar.ioで、メールアドレスかGoogleアカウントで登録) |
| 表示言語 | 英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・日本語(Preferencesで切り替え) |
| 読み込めるデータ | 全プラン:DXF・画像・PDF、Excel・CSV・dRofusのプログラム/有料プラン:DWG、レーザースキャン(LAZ・LAS) |
| 書き出せるデータ | 全プラン:画像・PDF・Revit・Rhino・Excel/有料プラン:DWG・DXF |
| Revit連携 | Revit 2020〜2027用のアドイン(無料アカウントでも使える) |
Revitのアドインは、Hyparの「Export to Revit」「Import from Revit」のダイアログから入手し、ユーザーごとにインストールします。管理者権限は要りません。対応ブラウザやPCの要件は、公式ドキュメントに記載がありません(2026年9月現在)。
Hyparの5つの特徴
1. プログラムを取り込み、面積と数を目標と比べられる
クライアントのプログラムは、ExcelやCSVのファイル、またはdRofusから取り込めます。表の書式は決まっておらず、必須の列はプログラム名だけで、列の対応はHyparが自動で提案します。部屋を配置すると、ネット・グロス・グロスアップの面積や数が更新され、プログラムに対してまだ足りないものも確認できます。面積は壁の内側の面で測ります。
2. デザインオプションを並べて比べられる
1つのプロジェクトの中で案を複製して変え、並べて比べられます。面積や数の拾いは案ごとに自動で更新されます。デザインオプションの数は、Personalが1件まで、ProfessionalとStudioは無制限です。有料プランでは、描いている最中にクリアランスの干渉が示されます。
3. AIに編集やチェックを頼める
プロジェクトのAIチャット(ベータ版)で頼むと、Hyparがモデルを編集したりチェックを実行したりします。プログラムの作成、数量の集計、部屋の家具レイアウトの提案、空間や動線の編集などに使えます。AIによる変更は自分の編集と同じように取り消せ、提案はその場でプレビューしてから採用するかを選べます。AIの機能はPersonalでも使えます。公式ドキュメントは、AIが間違えることがあるので結果を必ず確かめるよう案内しています。
4. クライアントと一緒に見ながら直せる
チームのメンバーを編集者として招待すると、同じプロジェクトを同時に編集できます。計画は2D・3D・ウォークスルーで表示でき、打ち合わせの場で案を見せながら直せます。有料プランでは、アカウントを持たない相手にもライブリンクで計画を見せられます。
5. Revitへ描き直さずに渡せる
作った計画は、全プランでRevit・Rhino・Excelへ書き出せます。有料プランでは、DWG・DXFでも書き出せます。Revit 2020〜2027用のアドインを使うと、Revitから部屋や家具を取り込むこともできます。公式ドキュメントは、実施設計に進むときに情報を失わずにHyparのモデルをRevitへ移せると説明しています。
Hyparの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
公式サイトの料金・機能表と公式ドキュメントをもとにまとめています(2026年9月現在)。
良い点
- Personalは無料で、クレジットカードなしで始められます。AIの機能とRevitへの書き出しもPersonalで使えます。
- プログラムをExcel・CSV・dRofusから取り込み、面積と数をプログラムと比べながら計画できます。
- Revit 2020〜2027用のアドインがあり、Revit・Rhino・Excelへ書き出せます。
- 表示言語に日本語を選べます。
気になる点
- Personalは評価・学習用で、報酬を受け取るクライアントの案件にはProfessional($100/ユーザー/月)が必要です。
- DWGの読み込み、DWG・DXFの書き出し、クリアランスのチェック、ライブリンクでの共有は有料プランだけです。
- 曲線の空間や、空間に属さない単独の壁はまだ描けません(公式FAQ)。
- AIチャットはベータ版です。
- 公式ドキュメントと料金ページは英語で書かれています。
まとめ
Hyparは、米国のHypar, Inc.が提供する、建築の初期設計向けの空間計画ソフトです。敷地とプログラムを取り込み、デザインオプションを作って比べ、クライアントと見ながら直し、Revitへ渡すまでをブラウザで行えます(2026年9月現在)。
料金は、Personalが無料(プロジェクト3件まで)、Professionalが$100/ユーザー/月(年払いは$1,000/ユーザー/年)、Studioが要問い合わせ(20席〜)です。画面の表示は日本語に切り替えられますが、公式ドキュメントと料金ページは英語です。