Intel Xeon w9シリーズは、Intelが提供するSapphire Rapids世代の最上位ワークステーションCPUです。
超大規模BIMモデルの処理・映画制作レベルのCPUレンダリング・大規模データ分析の高速処理などに活用できます。
最大56コア(w9-3495X)/60コア(Refresh版w9-3595X)を搭載するXeon Wシリーズの最上位モデルです。Intelは後継としてXeon 6 processors for Workstationを投入しており、Xeon Wは前世代の位置づけになっています。
Intel Xeon w9シリーズとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Intel Xeon w9シリーズ(w9-3475X / w9-3495X / w9-3595X等) |
| メーカー | Intel(米国) |
| カテゴリ | ハードウェア / ワークステーションCPU |
| アーキテクチャ | Sapphire Rapids(一部Refresh版あり) |
| コア/スレッド | 最大56コア/112スレッド(w9-3495X)/ 60コア/120スレッド(w9-3595X) |
| ソケット | LGA4677(W790チップセット) |
| 対応OS | Windows / Linux |
| 価格帯 | 推奨顧客価格(RCP)$4,113〜$6,478(2026年9月現在) |
| 公式サイト | intel.com |
Intel Xeon w9シリーズは、2023年に発売されたSapphire Rapids世代のフラッグシップワークステーションCPUです。w9-3495X(56コア/112スレッド)が初期のフラッグシップで、Refresh版のw9-3595X(60コア/120スレッド)がさらにコア数を拡大しています。
Dell Precision 7960 Tower・HP Z8 Fury G5・Lenovo ThinkStation P7などのハイエンドワークステーションに搭載されます(2026年9月現在)。
料金プラン・ライセンス形態
Intel Xeon w9シリーズは買い切り型のCPUです(2026年9月現在)。
| モデル | 価格帯 | コア/スレッド | ポジション |
|---|---|---|---|
| Xeon w9-3475X | $4,113〜$4,123(RCP) | 36コア/72スレッド | ハイエンド |
| Xeon w9-3495X | $6,478(RCP) | 56コア/112スレッド | フラッグシップ |
| Xeon w9-3595X(Refresh) | $6,478(RCP) | 60コア/120スレッド | 最上位 |
AMD Threadripper PRO 7995WXと比較するとコア数で劣りますが、Intelプラットフォームのエコシステム(ワークステーションベンダー認定・ISV認証実績)で差別化されます。コア数あたりのコストではAMD側が優位です。
動作環境・システム要件
| 項目 | 最小構成 | 推奨構成 |
|---|---|---|
| マザーボード | Intel W790チップセット | Intel W790(ベンダー認定ワークステーション) |
| メモリ | DDR5-4800 ECC(8チャネル) | DDR5-4800 ECC(8チャネル・最大4TB) |
| CPUクーラー | 大型ワークステーション水冷 | ベンダー指定の冷却ソリューション |
| 電源 | 1000W以上 | 1400W以上(80PLUS Platinum) |
| GPU | RTX 4500 Ada以上 | RTX PRO 6000 Blackwell |
実務上のポイントとして、Xeon w9はDell Precision 7960 Tower・HP Z8 Fury G5・Lenovo ThinkStation P7などの最上位ワークステーションに搭載される前提の製品です。8チャネルDDR5 ECCで最大4TBのメモリに対応しており、超大規模データ処理やシミュレーションに対応します。
Intel Xeon w9シリーズの4つの特徴
1. 最大60コアのマルチスレッド性能
w9-3595X(Refresh版)は60コア120スレッドを搭載し、Xeon Wシリーズで最も多いコア数を備えます。BlenderのCPUレンダリングやCinema 4DのCPUレンダリングで、Xeon w7より高いスループットを実現します。
2. 8チャネルDDR5 ECCの大容量メモリ
8チャネルDDR5 ECCメモリで最大4TBの搭載に対応しています。超大規模BIMモデル・映画制作のVFXシミュレーション・科学技術計算など、テラバイト級のメモリ容量を必要とするワークロードに対応できます。
3. Intelエコシステムの信頼性
Intel Xeonプラットフォームは数十年の実績を持ち、ワークステーションベンダー・ISVパートナー・IT管理ツールとの連携が成熟しています。Intel vPro対応によるリモート管理、Intel AMT(Active Management Technology)による遠隔運用管理など、エンタープライズIT環境に特化した機能が充実しています。
4. 包括的なISV認証とサポート体制
Xeon w9搭載ワークステーションは、業界で使用されるほぼ全てのCAD/CG/BIM/VFXソフトウェアでISV認証を取得しています。Intel・ワークステーションベンダー・ソフトウェアベンダーの3者によるサポート体制が確立されており、トラブル発生時の対応が迅速です。
Intel Xeon w9シリーズを編集部が使ってみました
Intel Xeon w9シリーズは、編集部がPERSCの最上位Intelワークステーション候補として注目している製品です。最大60コアのCPUレンダリング性能は高く、Dell PrecisionやHP Z Workstationに搭載された状態で即座に運用を開始できる点が大きなメリットです。
コスト面ではRCP $4,113〜$6,478(CPU単体)と高額ですが、ワークステーション一式として見た場合、ベンダーサポート・ISV認証・IT管理機能を含めたトータルコストはAMD Threadripper環境と比較して妥当なケースもあります。
制約として、コア数ではAMD Threadripper PRO 7995WXに大きく劣り(最大60コア)、コアあたりのコストでもAMD側が優位です。純粋なCPUレンダリングスループットを最優先する場合はThreadripperの検討が推奨されます。
IntelプラットフォームのISV認証・ベンダーサポート・エンタープライズ管理機能を最優先する環境にとって、有力な選択肢です。
Intel Xeon w9シリーズの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- ワークステーションベンダーの認定構成で導入でき、ハードウェアサポートの信頼性が非常に高いと支持されています。
- Intel vPro・AMTによるリモート管理機能が、IT部門にとって運用管理を大幅に簡素化すると歓迎されています。
- ISV認証の対応範囲が広く、業務ソフトの公式サポートを受けやすい安心感があるとの報告があります。
気になる点
- AMD Threadripper PROと比較してコア数で少なく、コストパフォーマンスで劣るとの指摘があります。
- CPU単体でも非常に高額であり、システム全体の投資額が大きいとの声が挙がります。
- 自作向けマザーボードの選択肢がほぼなく、メーカー製ワークステーション前提の製品であるとの意見があります。
まとめ
Intel Xeon w9シリーズは、Intelが提供するSapphire Rapids世代の最上位ワークステーションCPUです。最大60コアのマルチスレッド性能・8チャネルDDR5 ECCの大容量メモリ・Intelエコシステムの信頼性・包括的なISV認証を特徴とし、推奨顧客価格(RCP)$4,113〜$6,478で提供されています。
Intelプラットフォームのエンタープライズ機能を最優先する環境にとって、最上位のワークステーションCPUです。