Paperspace by DigitalOceanは、DigitalOcean傘下のGPUクラウドコンピューティングプラットフォームです。
NVIDIA A100・H100等のハイエンドGPUを搭載したクラウドマシンを時間課金で提供しており、3DCGレンダリング・AI/機械学習・映像制作・シミュレーションに活用できます。
Paperspace by DigitalOceanとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | Paperspace by DigitalOcean |
| 提供元 | DigitalOcean(米国、2023年Paperspace買収) |
| カテゴリ | ハードウェア / GPUクラウド |
| 主な機能 | GPUクラウドマシン(Machines)・Jupyter Notebook(Notebooks)・Deployments・Workflows・Gradient ML Platform |
| 対応OS | Linux / Web |
| 料金 | M4000 $0.45/hr〜 / A100 $3.09/hr / H100 $5.95/hr |
| 公式サイト | paperspace.com |
Paperspaceは、2014年に設立されたGPUクラウドコンピューティングプラットフォームです。2023年にDigitalOceanが買収し、「Paperspace by DigitalOcean」としてブランド統合されました。Machines(Linux/Windows仮想マシン)・Notebooks(Jupyter環境)・Deployments(モデルのデプロイ)・Workflows(MLパイプライン)を提供しています。
NVIDIA M4000からA100・H100まで幅広いGPUラインナップを時間課金で提供しており、3DCGレンダリングやAI/ML開発に柔軟に対応します(2026年9月現在)。
料金プラン・ライセンス形態
Paperspaceは時間課金制のクラウドサービスです(2026年9月現在)。
| GPU | 料金 | 用途 |
|---|---|---|
| M4000 | $0.45/hr | 軽量3DCG・開発環境 |
| A100 | $3.09/hr | 大規模レンダリング・ML学習 |
| H100 | $5.95/hr | 最高性能GPU・大規模ML |
TensorDockと比較するとやや高めですが、DigitalOcean傘下の安定性とGradient ML Platformの統合が差別化ポイントです。AWS EC2 G6(NVIDIA L4)と比較して、ML向けツールチェーンの充実度で優位です。Vagonのような月額固定のクラウドPCとは課金モデルが異なります。
動作環境・システム要件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| アクセス方法 | Webブラウザ / SSH / API |
| 仮想マシンOS | Ubuntu 22.04 / 20.04 / 18.04・CentOS 7(Windowsテンプレートは2024年7月1日以降の新規ユーザーには提供なし) |
| GPUラインナップ | M4000 / P5000 / RTX 4000 / RTX 5000 / A100 / H100 |
| ストレージ | 永続ストレージ(追加課金) |
実務上のポイントとして、WebブラウザからGUIデスクトップを開くデスクトップストリーミングはWindowsマシン専用で、Windowsテンプレートは2024年7月1日以降に登録した新規ユーザーには提供されていません。Linuxのテンプレートでは、Ubuntu 20.04のマシンにフルデスクトップ環境が含まれ、Ubuntu 22.04・18.04・CentOS 7はターミナルからのみ利用するサーバー用です。
Paperspace by DigitalOceanの4つの特徴
1. 幅広いGPUラインナップ
M4000からH100まで、用途と予算に応じたGPUを選択できます。軽量な開発環境にはM4000($0.45/hr)、本格的なレンダリングにはA100($3.09/hr)、最高性能が必要な場合はH100($5.95/hr)と、段階的なスケーリングが可能です。TensorDock(マーケットプレイス型)と比較して、GPUスペックの安定性と可用性が高いです。
2. Gradient ML Platformの統合
Jupyter NotebookベースのGradient ML Platformが統合されており、AI/ML開発のワークフローがクラウド上で完結します。RunPod(GPUクラウド特化)やGoogle Colab(無料GPU付きNotebook)と比較して、本格的なML開発パイプラインの構築に適しています。
3. 仮想デスクトップ(Core)機能
Windowsマシンでは、デスクトップストリーミングによりWebブラウザからGUIデスクトップにアクセスでき、3DCGソフトのGUI操作がクラウド上で可能です。ただしWindowsテンプレートは2024年7月1日以降の新規ユーザーには提供されていないため、この機能を使えるのはそれ以前から利用しているユーザーに限られます。
4. DigitalOcean傘下の安定性
2023年のDigitalOcean買収により、大手クラウドプロバイダーの安定した運営基盤に支えられています。Shadow PC(経営変遷あり)やTensorDock(スタートアップ)と比較して、長期的なサービス継続性の面で安心感があります。
Paperspace by DigitalOceanを編集部が使ってみました
Paperspaceは、編集部がGPUクラウドサービスの比較調査で確認したプラットフォームです。Core機能によるWebブラウザからのデスクトップアクセスは、3DCGソフトのクラウド運用を手軽に始められる点で有用だと感じています。ただしデスクトップストリーミングはWindowsマシン専用で、2024年7月1日以降の新規ユーザーはWindowsテンプレートを利用できません。
コスト面では、M4000($0.45/hr)から始められるエントリー価格が、GPUクラウドの試用に適しています。ただし長時間利用する場合は時間課金が積み上がるため、月額固定のVagonや自前PCへのリモートアクセス(Parsec等)の方がコスト効率が良い場合があります。
制約として、DigitalOceanブランドへの統合に伴い、ドキュメントやサポートの移行が段階的に進行中です。また、仮想デスクトップのレスポンスはParsecの超低遅延には及ばないため、リアルタイム性が求められる用途には不向きです。
GPUクラウドでの3DCGレンダリングやAI/ML開発を柔軟に行いたいクリエイターにとって、PaperspaceはGPU選択の幅広さで有力な選択肢です。
Paperspace by DigitalOceanの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- M4000からH100まで幅広いGPUが時間課金で使える柔軟性が、プロジェクトの規模に合わせた運用に評価されています。
- Gradient ML Platformの統合が、AI/ML開発のワークフロー効率化に支持されています。
- DigitalOcean傘下の安定性が、長期プロジェクトでの安心感として重宝されています。
気になる点
- TensorDockと比較すると時間単価がやや高めとの指摘があります。
- DigitalOcean統合の過渡期でドキュメントが分散しているとの声が挙がります。
- 長時間利用時の時間課金が積み上がるため、月額固定型と比較してコスト管理が必要との意見があります。
まとめ
Paperspace by DigitalOceanは、DigitalOcean傘下のGPUクラウドコンピューティングプラットフォームです。幅広いGPUラインナップ・Gradient ML Platform統合・DigitalOcean傘下の安定性を特徴とし、M4000 $0.45/hr〜の時間課金で提供されています。
GPUクラウドでの3DCGレンダリングやAI/ML開発に柔軟な選択肢を提供する、安定性と機能性を兼ね備えたプラットフォームです。