Parsecは、Unity Technologies傘下の低遅延リモートデスクトップソフトウェアです。
超低遅延の画面転送技術により、リモート環境でも3DCG制作・映像編集・ゲーム開発など高負荷なクリエイティブワークを実現でき、在宅勤務やスタジオ間の共同作業に活用できます。
クリエイター向けのリモートデスクトップで、低遅延性能とカラー精度を特徴としています。
Parsecとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Parsec |
| メーカー | Unity Technologies(米国、2021年$320Mで買収) |
| カテゴリ | ハードウェア / リモートデスクトップ |
| 主な機能 | 低遅延リモートアクセス・4:4:4カラーサンプリング・マルチモニター・コントローラー対応 |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux / Web / iOS / Android |
| 料金 | Free / Warp $9.99/月 / Teams $35/user/月 / Enterprise $45/user/月(年払いのみ) |
| 公式サイト | parsec.app |
Parsecは、2016年に登場したクリエイター・ゲーマー向けの低遅延リモートデスクトップソフトウェアです。2021年にUnity Technologiesが$320Mで買収し、現在はUnity傘下で運営されています。独自のコーデック技術により、一般的なリモートデスクトップツールと比較して大幅に低い遅延を実現しており、3DCG制作や映像編集といった高負荷なクリエイティブワークのリモート化に対応しています。
個人向けの無料プランに加え、法人向けのTeams/Enterpriseプランが提供されており、スタジオの在宅勤務環境構築に広く採用されています(2026年9月現在)。
料金プラン・ライセンス形態
Parsecは個人向けの無料プランと有料プラン(Warp)、法人向けのサブスクリプションプランを提供しています(2026年9月現在)。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 個人利用・1対1接続・基本機能 |
| Individuals(Warp) | $9.99/月(年払いは$8.33/月) | マルチモニター・4:4:4カラー・プライバシーモード・Wacomの筆圧/傾き対応 |
| Teams | $35/user/月(年払いは$30/user/月) | チーム管理・グループ権限・管理コンソール |
| Enterprise | $45/user/月(年払いのみ) | 高性能リレー・利用ログ・Teams API・監査ログ |
個人利用なら無料プランで基本機能を使えます。マルチモニターや4:4:4カラー、Wacomタブレットの筆圧・傾き対応が必要な場合は個人向けのWarp、チームでの管理が必要な場合はTeams・Enterpriseが対象です。
動作環境・システム要件
| 項目 | ホスト(接続先) | クライアント(接続元) |
|---|---|---|
| OS | Windows 10/11 | Windows / macOS / Linux / iOS / Android / Web |
| GPU | NVIDIA GTX 900以上 / AMD Radeon RX 400以上 | H.264/H.265デコード対応GPU推奨 |
| ネットワーク | 上り30Mbps以上推奨 | 下り30Mbps以上推奨 |
| 解像度 | 最大4K 60fps | 最大4K 60fps |
実務上のポイントとして、Parsecはホスト側にNVIDIA/AMD GPUのハードウェアエンコーダーを使用するため、GPU搭載PCが必須です。ネットワーク遅延が20ms以下であれば、3DCGソフトの操作もほぼローカルと変わらない体感で作業できます。
Parsecの4つの特徴
1. 低遅延の画面転送
Parsecの最大の特徴は、独自コーデックによる超低遅延の画面転送です。条件次第で16ms以下の遅延を実現します。
2. 4:4:4カラーサンプリング対応
4:4:4カラーサンプリングに対応しており、色情報の劣化なくリモート画面を表示できます。建築パースのカラーマネジメントや映像編集のカラーグレーディングなど、色精度が求められる作業にも対応可能です。一般的なリモートデスクトップの4:2:0サブサンプリングとは異なる、プロフェッショナル品質の色再現性です。
3. マルチモニター・コントローラー対応
ホスト側の複数モニターをクライアント側で再現するマルチモニター対応と、ゲームコントローラーのリモートパススルー機能を備えています。3Dconnexion SpaceMouseやWacomペンタブレットの入力転送にも対応しており、クリエイティブワークに必要な入力デバイスをリモートで活用できます。
4. 無料個人プランの充実度
個人利用であれば無料プランで主要機能が利用でき、個人クリエイターや小規模フリーランスにとって導入障壁がゼロです。自前のPCにリモートアクセスする形式のため、追加のクラウド費用が発生しません。
Parsecを編集部が使ってみました
Parsecは、編集部がPERSCのリモートワーク環境構築で実際に検証したリモートデスクトップソフトです。遅延の少なさは体感的にも明確で、Blenderでの3Dモデリングやスカルプトもリモートとは思えないレスポンスで作業できました。
コスト面では、個人利用の無料プランだけでも十分に実用的です。法人向けTeamsプランは1ユーザーあたり$35/月(年払いは$30/月)で、管理パネルやSAMLによるシングルサインオンなど、チームで使うための管理機能が加わります。
制約として、ホスト側がWindows限定(macOSはクライアントのみ)のため、Macをホストとして使用することはできません。また、自前のPCが必要なため、PC自体を持たないユーザーにはVagonやShadow PCのようなクラウドPC型サービスが適しています。
自前のハイスペックPCを遠隔で使いたいクリエイターに向くリモートデスクトップです。
Parsecの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- 超低遅延の画面転送が、3DCGソフトのリモート操作をローカル同等の体感にすると高く評価されています。
- 4:4:4カラーサンプリングが、映像編集やカラーマネジメント作業のリモート化に貢献していると支持されています。
- 個人利用が無料で、導入コストゼロでリモートワーク環境を構築できると歓迎されています。
- マルチモニターとペンタブレット対応が、クリエイティブワークのリモート移行をスムーズにしていると重宝されています。
気になる点
- ホスト側がWindows限定のため、macOSをホストとして使えないとの指摘があります。
- ネットワーク環境に依存するため、回線品質が悪いと遅延が増加するとの声が挙がります。
- Unity買収後のサービス方針変更リスクを懸念する意見があります。
まとめ
Parsecは、Unity Technologies傘下の低遅延リモートデスクトップソフトウェアです。低遅延の画面転送・4:4:4カラーサンプリング・マルチモニター/コントローラー対応・無料個人プランを特徴とし、Free/Warp/Teams/Enterpriseの4プランで提供されています。
低遅延の画面転送により、3DCG制作や映像編集をリモートで行いたいクリエイターに合うソリューションです。