The Grove 3Dは、オランダのF12(Wybren van Keulen氏)が開発するBlender向けインタラクティブ樹木成長アドオンです。
建築ビジュアライゼーション・ランドスケープ・映像制作・ゲームアセット制作などに活用できます。
物理ベースの成長シミュレーションにより、従来の樹木ジェネレーターでは再現しにくかったリアリティの高い樹形表現を実現し、注目度がさらに上がっています。
The Grove 3Dとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ソフト名 | The Grove 3D(The Grove) |
| 提供元 | F12(オランダ、Wybren van Keulen) |
| カテゴリ | 3DCG / 3DCGプラグイン/ツール(Blender用樹木成長アドオン) |
| 主な機能 | 物理ベース成長シミュレーション・風や光への反応・季節表現・樹皮生成・プリセット樹種ライブラリ |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux |
| 最新バージョン | The Grove 2.3(2026年2月リリース、2026年9月現在) |
| 料金 | Starter €99 / Indie €199 / Studio €799(買い切り) |
| 公式サイト | thegrove3d.com |
The Grove 3Dは、オランダの開発者Wybren van Keulen氏がF12として提供するBlender向け(Houdini版もあり)の樹木成長アドオンです。枝の成長・節の分岐・太陽光への向き・風への反応などを物理シミュレーションで再現する方式で、従来型の手続き生成では得にくい自然な樹形を生み出します。Blender 5(4.5まで後方互換)に対応し、最新バージョンのThe Grove 2.3は2026年2月にリリースされています。
Starter・Indie・Studioの3プランでライセンスを提供しており、Studio版にはHoudini版もバンドルされます。ArchViz・ランドスケープ・ゲーム・映像制作など、Blenderを中核に据えたスタジオで樹木表現を追求するユーザーに選ばれています。
料金プラン・ライセンス形態
The Grove 3Dは買い切り型の永続ライセンスで、Starter・Indie・Studioの3プラン構成です(2026年9月現在)。
| プラン | 料金 | 対象ユーザー・含まれるもの |
|---|---|---|
| Starter | €99(買い切り) | 個人・フリーランス向け。Blender版コア機能 |
| Indie | €199(買い切り) | 個人・フリーランス・小規模企業の1ユーザー向け。高度なツールとHoudini Indie用アドオン付き |
| Studio | €799(買い切り) | 同一拠点のスタジオ全員で利用可。Houdini版バンドル |
本体買い切り型のため、長期運用でのコスト予見性はサブスク型プラグインより高く設計されています。Blender本体は無料のため、Starter €99の購入だけで樹木生成環境を整えられる点は、SpeedTreeなど月額・年額型のツールと比較しても参入障壁が低い水準です。Studio €799プランはHoudini版も含まれるため、両ソフトを併用するスタジオでは割安な選択となります。
動作環境・システム要件
The Grove 3DはBlender向けアドオンとして、Blender 5(4.5まで後方互換)上で動作します(2026年9月現在)。
| 項目 | 最小 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | 最新のWindows / macOS / Linux(Linux版はCentOS 7・glibc 2.17でビルド) | 同左 |
| Blender | Blender 4.5 | Blender 5 |
実務上のポイントとして、1本の樹木では軽快に動作しますが、数百本規模の群落を生成・キャッシュする場合はメモリ消費が増えるため、32〜64GBメモリ環境が実用ラインです。Blenderのパーティクル・ジオメトリノードとの連携で大規模分散が可能です。
The Grove 3Dの5つの特徴
1. 物理ベースの成長シミュレーション
The Grove 3Dは、年数を経て樹木が枝を伸ばし・分岐し・太陽光へと向かう成長プロセスをシミュレーションで再現するアプローチです。単純な手続き生成では得にくい、自然のルールに従った樹形が生まれる点が最大の特徴です。建築ビジュアライゼーションで違和感のない樹木配置を実現できます。
2. 樹種プリセットと編集の自由度
オーク・松・桜・ヤナギなど主要な樹種プリセットが同梱されており、初期設定から数クリックで特定の樹種を生成できます。プリセットのパラメータはすべて公開されており、成長年数・分岐回数・葉の密度などを調整してオリジナル樹形を作れます。
3. 季節・風・ダメージ表現
葉の色変化・落葉・積雪・風による傾き・枝折れなどの季節表現を内包しており、同じ樹木モデルから春夏秋冬バリエーションを出力できます。季節違いのパース制作やアニメーション表現で重宝します。
4. Blenderネイティブ統合と軽量出力
The Grove 3DはBlenderアドオンとして統合されており、生成された樹木はメッシュ・パーティクルとしてそのまま編集できます。Cycles・EEVEE Nextのどちらでもレンダリング可能で、FBX・OBJ・Alembic形式でのエクスポートも可能です。
5. Studio版のHoudini連携
Studio €799プランにはHoudini版がバンドルされ、Houdini環境でも同じ樹木ジェネレーションを利用できます。Blender・Houdini両方を使う大規模スタジオや映像制作会社にとって、ワークフロー統一の利点があります。SpeedTreeやiToo Forest Packなど他ツールと使い分けるスタジオでも選ばれています。
The Grove 3Dを編集部が使ってみました
The Grove 3Dは、編集部がPERSCのBlender用プラグイン調査で試用したF12製の樹木成長アドオンです。物理ベースの成長シミュレーションという設計思想は、SpeedTreeのような手続き型ジェネレーターとは異なる「育てる」感覚のワークフローを提供する点で特徴的だと実感しています。
コスト面では、Starter €99・Indie €199の買い切りは、SpeedTreeのようなサブスクと比較して長期運用時のコスト予見性が高い水準です。Blender本体が無料であることと合わせれば、樹木生成環境のトータルコストはSpeedTree+Maya/3ds Max構成と比較して大幅に抑えられます。Studio €799はHoudini版バンドルを含むため、併用スタジオでは実質的な割引となります。
制約として、BlenderとHoudini以外では利用できないため、3ds Max・Maya・Cinema 4DユーザーはiToo Forest Pack・Foresterなど別製品を検討する必要があります。またシミュレーション方式のため、一本ずつの樹形にこだわりたいケースでは計算時間が課題になる場面もあります。
Blender中心のArchViz・ランドスケープスタジオ、自然な樹木表現を物理ベースで追求したい事業者、買い切り型で長期運用したいBlenderユーザーにとって、The Grove 3Dは有力な選択肢です。
The Grove 3Dの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- 物理ベースの成長シミュレーションによる自然な樹形表現が、他の樹木ジェネレーターでは得られない質感として高く評価されています。
- Starter €99の買い切り方式が、Blenderユーザーにとって導入障壁の低さとして支持されています。
- 季節変化・風・ダメージ表現まで含めた機能網羅性が、パース制作・映像制作の現場で重宝されています。
- Studio版にHoudini版がバンドルされる点が、Blender/Houdini併用スタジオに歓迎されています。
気になる点
- BlenderとHoudini専用のため、3ds Max・Maya・Cinema 4Dユーザーは利用できないとの指摘があります。
- シミュレーション方式ゆえに樹形生成に計算時間を要し、試行錯誤の場面でテンポが落ちるとの声が挙がります。
- 公式日本語ドキュメントが限定的で、日本語ユーザーは英語ドキュメントを参照する必要があるとの意見があります。
まとめ
The Grove 3Dは、オランダのF12が開発するBlender向け樹木成長アドオンです。物理ベース成長シミュレーション・豊富な樹種プリセット・季節/風/ダメージ表現・Blenderネイティブ統合・Studio版のHoudini連携を特徴とし、Starter €99/Indie €199/Studio €799の買い切り型プランで提供されています。
Blender向け樹木ジェネレーターの有力選択肢として、自然な樹形表現を追求するArchVizスタジオ・ランドスケープ事務所・映像制作会社にとって、検討に値する存在です。