はじめに
建築3DCG ソフト選びの定番の悩みが「Blender か SketchUp か」。両方とも世界的に使われており、無料枠もあるため迷うところです。本記事では編集部の実機テストをもとに、どちらをどんな人が選ぶべきかを明らかにします。
ワークフローの違い
Blender
ポリゴンベースの本格 3DCG ソフト。モデリング・テクスチャ・ライティング・レンダリングを1本で完結でき、フォトリアル品質のパースまで作れます。学習コストは高めですが、Cycles レンダラーで商用ソフト並みの表現が無料で出せる強みがあります。
SketchUp
プッシュプル操作で直感的にマス(ボリューム)を作れるのが最大の魅力。プレゼン用の3Dモデル・コンセプト検討に強く、慣れれば数時間で初期案を可視化できます。
価格・ライセンスの比較
- Blender: GPLオープンソース。完全無料・商用利用可
- SketchUp Free(Web 版): 個人・非商用利用のみ無料
- SketchUp Pro: 年額約4万円程度(為替により変動)
商用利用で SketchUp を本格運用するなら Pro 必須。Blender はライセンス費用ゼロが圧倒的。
表現力
| 観点 | Blender | SketchUp |
|---|---|---|
| マス/ボリューム表現 | ◯ | ◎ |
| マテリアル表現 | ◎ | △ |
| ライティング表現 | ◎ | ○ |
| フォトリアル パース | ◎ | △(V-Ray等プラグイン必要) |
| アニメーション | ◎ | △ |
SketchUp は外部レンダラー(V-Ray for SketchUp、Enscape 等)と組み合わせて初めて高品質パースが出せます。
学習コスト
- Blender: 独自のショートカット体系で最初の壁は高いが、世界中の無料チュートリアル・YouTube が豊富
- SketchUp: 半日で基本操作を習得可能。直感的なツールバーで初心者の最初の3Dソフトに最適
編集部の判定
Blender がおすすめの人
- 商用案件でフォトリアルパースまで完結したい
- ライセンス費用を抑えたい個人事業主・小規模事務所
- 長期的に3DCG全般のスキルを伸ばしたい
SketchUp がおすすめの人
- マス検討・初期案出しを短時間で回したい設計者
- 既存の建築フロー(CAD連携、社内標準)に組み込みたい
- フォトリアル品質まで自分で出さなくてもいい(外注前提)
まとめ
「無料で全部やる」なら Blender、「設計フローに自然に組み込む」なら SketchUp Pro が王道です。両方使いこなしている建築ビジュアライザーも珍しくないので、まずはどちらかを試してから判断すると後悔が少ないでしょう。
DB · Architecture Software