BUILD.一貫(ビルドイッカン)は、株式会社構造ソフトが開発する国産の建築一貫構造計算ソフトです。
RC造・S造・SRC造の構造計算を単一のソフトで完結でき、剛性率計算・荷重計算・保有水平耐力検討まで一貫して実施できます。
日本の建築基準法・構造関係技術基準に合わせて作られた国産の構造計算ソフトです。
BUILD.一貫とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社構造ソフト(日本)/ 販売:大塚商会(CAD Japan.com) |
| カテゴリ | CAD / CADソフト(建築一貫構造計算) |
| 価格 | BUILD.一貫VI 1,300,000円 / S造専用 750,000円 / 低層版 300,000円〜675,000円(税別・別途年間トータルメンテナンス契約が必要・2026年9月現在) |
| 対応OS | Windows |
| 日本語対応 | 有(日本語ネイティブ) |
| 公式サイト | kozosoft.co.jp |
BUILD.一貫は、株式会社構造ソフトが開発する国産の建築構造一貫計算ソフトです。最新版のBUILD.一貫VIは「2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書」への対応を行い、リボンインターフェイスの採用、解析速度の高速化、機能拡張などが図られています。日本の建築基準法・構造関係技術基準に特化した設計のため、国内の建築構造設計事務所での利用に最適化されています。
SS7(ユニオンシステム)、SEIN La CREA(NTTファシリティーズ)、SNAPなどと同じ一貫構造計算ソフトカテゴリに属し、BUILD.一貫は機能とコストのバランスを重視した製品ポジションを取っています。同じ株式会社構造ソフトからは木造軸組工法用のMOKUZO.Designerなど関連製品も提供されており、構造設計分野で包括的なツールラインナップを展開しています。
料金プラン・ライセンス形態
BUILD.一貫VIは業務範囲に応じた複数のグレードが用意されており、使用には年間のトータルメンテナンス契約が必要です(2026年9月現在)。
| グレード | 価格(税別) | 含まれるもの | 対象ユーザー |
|---|---|---|---|
| BUILD.一貫VI(フル版) | 1,300,000円 | RC造・S造・SRC造対応・保有水平耐力計算 | 総合構造設計事務所 |
| BUILD.一貫VI(S造) | 750,000円 | S造専用(鉄骨造のみ) | 鉄骨造特化事務所 |
| 低層版 | 675,000円 | 5階までの建物対応 | 低層建物中心の事務所 |
| 低層版(保有なし) | 500,000円 | 5階まで・保有水平耐力計算なし | 小規模建物専業 |
| 低層版(S造) | 350,000円 | 5階まで・S造専用 | 低層鉄骨造専業 |
| 低層版(S造・保有なし) | 300,000円 | 最小構成 | 個人事業主の導入 |
| 年間保守(ゴールド) | 130,000円/年(低層版は103,000円/年) | プログラムメンテナンス・サポート・プレミアムモード | 新規契約時は必須 |
フル版1,300,000円は高額に見えますが、一貫構造計算ソフトとしては標準的な価格帯です。使用には年間のトータルメンテナンス契約が必要で、新規契約時はゴールド(フル版130,000円/年、低層版103,000円/年)での契約となります。販売元の大塚商会によると、2年目以降はシルバー(フル版100,000円/年、低層版73,000円/年)に変更できます。小規模事務所や個人事業主向けには低層版300,000円からのラインナップがあり、業務規模に応じた選択肢が用意されています。
動作環境・システム要件
BUILD.一貫VIの推奨動作環境は以下の通りです(2026年9月現在)。
| 項目 | 最小要件 | 推奨要件 |
|---|---|---|
| OS | Windows 11(64bit版専用) | — |
| CPU | OSのシステム要件以上 | — |
| メモリ | OSのシステム要件以上 | — |
| ディスク | 1GB以上の空き容量 | — |
| ディスプレイ | 1366×768以上 | 1920×1080以上 |
| グラフィック | OpenGL対応カード(3D表示モードを使う場合) | — |
| ライセンス | インターネット認証 | 同左 |
動作にはインターネットへの接続が必要で、ライセンスはインターネット認証です。販売元の大塚商会の案内では、年間のトータルメンテナンス契約にネットワークライセンスの提供も含まれます。
BUILD.一貫の4つの特徴
1. RC・S・SRC造の一貫構造計算
BUILD.一貫は、RC造(鉄筋コンクリート造)、S造(鉄骨造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の主要構造タイプを1つのソフトで一貫計算できる点が最大の特徴です。剛性率・偏心率の計算、各荷重(固定荷重・積載荷重・地震荷重・風荷重)の計算、保有水平耐力の検討まで単一ワークフローで完結します。機能とコストのバランスを重視した製品ポジションです。
2. 2025年版構造関係技術基準解説書対応
BUILD.一貫VIは「2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書」に対応しており、最新の建築基準法・構造関係規定に基づく構造計算が可能です。法改正や技術基準の更新に合わせてソフトがアップデートされるため、年間保守契約を継続することで常に最新基準に準拠した計算が実施できます。確認申請時の計算書出力も最新書式に対応しています。
3. リボンインターフェイスと高速解析エンジン
VIから新採用のリボンインターフェイスにより、機能の視覚的な配置と直感的な操作が実現しました。解析速度も従来比で高速化されており、大規模建物の構造計算でも実用的な時間で結果を得られます。従来のメニューバー型UIに慣れた設計者にも配慮されており、旧UIへの切り替えオプションも提供されています。
4. 業務規模に応じた柔軟なラインナップ
BUILD.一貫VIはフル版だけでなく、S造専用版、低層版、低層S造版など業務規模に応じた複数のグレードを提供しています。5階までの低層建物中心の事務所なら低層版675,000円(S造は350,000円)で必要十分で、初期投資を抑えて導入できます。個人事業主や開業間もない構造設計事務所にとって、段階的な投資戦略が取れる点は大きなメリットです。
BUILD.一貫についての編集部の見解
BUILD.一貫は、国産の建築一貫構造計算ソフトとして国内で広く使われているツールの1つです。SS7、SEIN La CREA、SNAPなど競合製品がある中、BUILD.一貫は機能とコストのバランスを重視した製品ポジションを明確に打ち出しています。
コスト面では、フル版1,300,000円は構造設計ソフトとしては標準的な価格帯ですが、低層版ラインナップにより300,000円から導入可能な選択肢を提供している点が評価できます。ただし使用には年間のトータルメンテナンス契約が必要なため、導入時は本体価格に加えて保守費用も見込んでおく必要があります。
制約としては、海外の構造設計ソフト(ETABS・STAAD等)とはデータ互換性が乏しく、国際プロジェクトでの利用には向きません。日本の建築基準法特化のため、海外案件では別途現地基準対応の構造計算ソフトが必要になります。また、BIM連携の面ではRevit・ArchiCAD・GLOOBEなどとの直接的な統合は限定的で、今後のBIM化の流れへの対応が課題となります。
国内の建築構造設計事務所、特にRC造・S造の中小規模建物を中心に扱う組織にとって、BUILD.一貫は信頼性・機能性・コストのバランスが取れた有力な選択肢です。確認申請対応の実績も豊富で、実務での使いやすさが広く支持されています。
BUILD.一貫の良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- 国産の建築基準法特化ソフトとして、日本の構造設計実務に即した機能が揃っている点が国内構造設計者から高く評価されています。
- 低層版ラインナップにより、個人事業主や開業間もない事務所でも段階的に導入できる柔軟性が支持されています。
- VIで採用されたリボンインターフェイスと高速解析エンジンにより、従来版と比べて作業効率が向上したという声が多く聞かれます。
気になる点
- インターネット認証ライセンスに移行したため、オフライン環境での利用に制限がある点を懸念する声があります。
- SS7やSEIN La CREAと比べると大規模建物や複雑な解析での実績が限定的という意見が見られます。
- BIM連携(Revit・ArchiCAD・GLOOBE等との直接連携)が限定的で、BIM化の流れへの対応に課題があるという指摘があります。
まとめ
BUILD.一貫は、株式会社構造ソフトが開発する国産の建築一貫構造計算ソフトです。RC造・S造・SRC造の構造計算を一貫環境で実施でき、最新の建築基準法・構造関係技術基準解説書に完全対応しています。リボンインターフェイス、高速解析エンジン、柔軟なグレードラインナップにより、機能とコストのバランスを重視した製品となっています。
フル版1,300,000円から低層版300,000円までの多段階ラインナップは、大手事務所から個人事業主まで幅広い層のニーズに対応します。国内の建築構造設計業務で信頼性・機能性・コストのバランスを求める組織にとって、BUILD.一貫は有力な選択肢の1つです。