RealityScanは、米国Epic Games(旧Capturing Reality)が提供する業務用フォトグラメトリソフトウェアです。
写真・ドローン空撮・レーザースキャンデータから高精度な3Dモデルを生成でき、測量・建築・映画VFX・ゲーム開発・文化財保存など専門分野の3Dコンテンツ制作に幅広く活用されます。
2025年にRealityCaptureからRealityScanへリブランド統合されました。
RealityScanとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ソフト名 | RealityScan(旧RealityCapture) |
| 提供元 | Epic Games(米国)※旧Capturing Reality(スロバキア、2021年買収) |
| カテゴリ | 3DCG / 3Dスキャンツール(業務用フォトグラメトリ) |
| 主な機能 | フォトグラメトリ・レーザースキャン統合・テクスチャマッピング・メッシュ生成・モバイルスキャン |
| 対応OS | Windows / Linux / iOS / Android |
| 最新バージョン | RealityScan 2.1(2025年11月)/ RealityScan Mobile 1.7 |
| 料金 | 年商$100万未満・学生は無料、商用$1,250/席/年 |
| 公式サイト | realityscan.com |
RealityScanは、Epic Gamesが開発・提供する業務用フォトグラメトリソフトウェアです。2021年にEpic GamesがスロバキアのCapturing Reality社を買収し、2025年6月に従来のRealityCaptureを「RealityScan 2.0」にリブランド統合しました。旧RealityCaptureの高精度フォトグラメトリエンジンをそのまま引き継ぎつつ、モバイル版との統合ブランドとして展開されています。
デスクトップ版は写真・ドローン空撮・レーザースキャンデータから高精度な3Dメッシュを生成する業務用ソフトで、モバイル版はスマートフォンで手軽にフォトグラメトリを行えるアプリです。年商$100万未満の個人・小規模事業者と学生・教育者は無料で利用でき、商用は$1,250/席/年のサブスクリプションです(2026年9月現在)。
料金プラン・ライセンス形態
RealityScanは前身のRealityCapture時代(2024年)に旧Pay-Per-Input制を廃止してシンプルなサブスクリプション体系に移行し、2025年のリブランド統合後もこの体系を引き継いでいます(2026年9月現在)。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| Free(個人・小規模) | 無料 | 年商$100万未満の個人・小規模事業者向け・全機能利用可 |
| Free(学生・教育者) | 無料 | 学生・教育者向け・全機能利用可 |
| Commercial | $1,250/席/年 | 年商$100万以上の法人向け・商用利用全機能 |
| Unreal Subscription | $1,850/席/年 | Unreal Engine統合機能付き・商用全機能 |
| Mobile | 無料 | iOS/Android・商用含め無料・クラウド処理 |
年商$100万未満の事業者は無料で全機能を使えます。モバイル版が商用含め無料な点も見逃せません。
動作環境・システム要件
RealityScanデスクトップ版は主にWindowsで動作し(Linux版はコマンドライン中心の用途向け)、高性能なGPUを推奨します(2026年9月現在)。
| 項目 | 最小 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit | Windows 11 |
| CPU | Intel/AMD 64bit 4コア | Intel i7/AMD Ryzen 7以上 8コア |
| GPU | NVIDIA/AMD DirectX 11対応(VRAM 4GB以上) | NVIDIA RTX 4080以上(VRAM 16GB以上) |
| メモリ | 16GB | 64GB以上(大規模データセットは128GB) |
| ストレージ | SSD 50GB空き | NVMe SSD 500GB以上 |
実務上のポイントとして、数千枚規模の写真からの3D再構成ではメモリ64GB以上が実用ラインです。ドローン空撮や大規模測量プロジェクトでは128GBメモリ・NVMe SSD 1TB以上の環境が推奨されます。モバイル版はクラウド処理のため端末スペックの制約は少なく、一般的なスマートフォンで動作します。
RealityScanの5つの特徴
1. 旧RealityCapture由来のフォトグラメトリエンジン
旧RealityCaptureから引き継いだフォトグラメトリエンジンは、数千〜数万枚の写真から高精度な3Dメッシュを生成する処理能力を持ちます。測量・建築・文化財保存など精度が重要な分野で採用されています。
2. レーザースキャンデータとの統合処理
写真ベースのフォトグラメトリデータとレーザースキャン(LiDAR・TLS)データを統合して3Dモデルを生成できます。写真による高品質テクスチャとレーザースキャンによる高精度形状を組み合わせることで、単一手法では実現できない品質の3Dモデルが生成可能です。地上・空中の複合データ処理に対応しています。
3. 年商$100万未満は全機能無料
年商$100万未満の個人・小規模事業者はデスクトップ版の全機能を無料で利用できます。従来のPay-Per-Input制(処理量課金)から定額制に移行したことで、コスト予見性が大幅に向上しました。建築パース制作の個人事業主やフリーランスのCGクリエイターにとって、プロ品質のフォトグラメトリが実質無料で使える点は大きなメリットです。
4. Unreal Engine直接連携
Epic Games傘下のソフトウェアとして、Unreal Engineとのネイティブ連携機能を搭載しています。フォトグラメトリで生成した3Dモデルを直接Unreal Engineにインポートし、リアルタイムレンダリングで活用できます。Unreal Subscription($1,850/席/年)ではさらに深い統合機能が利用可能で、ゲーム開発・バーチャルプロダクション・デジタルツインの分野で有利です。
5. デスクトップ版とモバイル版の統合ブランド
2025年のリブランドにより、デスクトップ版(旧RealityCapture)とモバイル版(RealityScan Mobile)が統合ブランドとなりました。現場ではモバイル版で手軽にスキャンし、オフィスではデスクトップ版で高精度処理を行うワークフローが1つのブランド内で完結します。モバイル版は商用含め無料のため、現場スキャン用途のコストがかかりません。
RealityScanを編集部が使ってみました
RealityScanは、編集部がPERSCのフォトグラメトリツール比較調査で試用した業務用ソフトです。旧RealityCaptureの高精度エンジンがそのまま使える上に、年商$100万未満は無料という価格体系は、個人事業主や小規模スタジオにとって導入しやすい条件だと実感しています。
コスト面では、年商$100万未満の個人・小規模事業者が全機能を無料で使える点が大きな特徴です。
制約として、デスクトップ版の画面操作はWindows向けで、macOSには対応していません(Linux版はコマンドライン処理向けで、画面操作は推奨されていません)。また高精度処理にはメモリ64GB以上・高性能GPUが必要で、ハードウェア投資が前提となります。Epic Games傘下であるため、Unreal Engine以外のゲームエンジン(Unity等)との連携は特別な統合機能がない点も考慮が必要です。
高精度フォトグラメトリを低コストで導入したいユーザー、Unreal Engineとの連携を重視するユーザー、デスクトップ版とモバイル版を組み合わせた現場〜オフィスワークフローを構築したいユーザーに向いています。
RealityScanの良い点・気になる点(編集部のまとめ)
良い点
- 旧RealityCaptureの高精度フォトグラメトリエンジンがそのまま利用できる点が高く評価されています。
- 年商$100万未満の全機能無料化が、小規模事業者にとって参入障壁を大幅に下げたとして歓迎されています。
- Unreal Engineとのネイティブ連携が、ゲーム開発・バーチャルプロダクション分野で重宝されています。
- 旧Pay-Per-Input制から定額制への移行で、コスト予見性が格段に向上したとの声が多く見られます。
気になる点
- デスクトップ版の画面操作がWindows向けのため、macOS環境のユーザーは利用できないとの指摘があります。
- 大規模データセットの処理にはメモリ64GB以上の高スペックPCが必要で、ハードウェアコストが高いとの声が挙がります。
- Epic Games傘下のためUnreal Engineとの統合は充実しているが、Unity等他エンジンとの連携は限定的との意見があります。
まとめ
RealityScanは、Epic Gamesが提供する業務用フォトグラメトリソフトウェアです。旧RealityCaptureの高精度エンジン・レーザースキャン統合・年商$100万未満の無料化・Unreal Engine連携・デスクトップ+モバイル統合を特徴とし、商用$1,250/席/年のサブスクリプションで提供されています。
測量・建築・VFX・ゲーム開発など、高精度な3Dスキャンが求められる分野で使える業務用フォトグラメトリソフトです。