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Vectorworks

★★★★☆ 3.8 有料 日本語完全対応
使いやすさ 3.7
機能 4.2
サポート 4.0
コスパ 3.6
評価の詳細

Vectorworks(ベクターワークス)は、米国Vectorworks社(Nemetschek Group)が開発する2D/3D/BIMを統合した汎用CADソフトです。

建築設計、ランドスケープ、舞台美術、インテリアデザインなど幅広い分野で活用でき、Maxon Redshiftによるリアルタイム可視化とオープンBIMワークフローに対応しています。

1985年のリリース以来、特にデザイン志向の建築家やランドスケープデザイナーに使われているCADです。

Vectorworksとは

項目内容
提供元Vectorworks, Inc.(米国 / Nemetschek Group)/ 日本総代理店:エーアンドエー株式会社
カテゴリCAD / CADソフト(2D/3D/BIM統合)
価格Fundamentals 年額132,000円 / Architect・Landmark・Spotlight 各198,000円 / Design Suite 264,000円(税別・2026年度)
対応OSWindows / macOS
日本語対応有
公式サイトvectorworks.co.jp

Vectorworksは、米国Vectorworks社が開発し、ArchiCADと同じNemetschek Groupに属するCADソフトです。1985年にリリースされて以来、2D作図・3Dモデリング・BIMを1つの環境で統合的に扱える設計プラットフォームとして、建築・ランドスケープ・舞台美術・インテリアデザインなど多様な分野で使われています。2026年1月14日に日本語版の最新バージョン「Vectorworks 2026」が発売され、JW_cadファイルのドラッグ&ドロップ取り込みやサステナビリティダッシュボードなどの新機能が追加されました。

日本国内ではエーアンドエー株式会社が総代理店としてサポート・販売を行っています。AutoCADがエンジニアリング志向の汎用CADであるのに対し、Vectorworksはデザイン志向の強いCADとして、建築家・デザイナーからの支持が厚い点が差別化要因です。ArchiCAD(同じNemetschek Group)との違いとしては、ArchiCADが意匠設計BIM専門であるのに対し、Vectorworksは2D作図・3Dビジュアル・BIMをバランス良く統合している点が挙げられます。

料金プラン・ライセンス形態

2025年から月間サブスクリプションが加わり、2027年からはスタンドアロン版がサブスクリプションのみの販売に移行します。エディションは5種類に分かれており、業務領域に応じて選択できます。スタンドアロン版の永続ライセンスは2026年末まで販売されています(2026年9月現在)。

エディション年額(税別)永続(税別)対象ユーザー
Fundamentals132,000円/年393,800円2D/3D汎用設計の入門版
Architect198,000円/年523,600円建築設計・BIM業務
Landmark198,000円/年523,600円ランドスケープ・造園設計
Spotlight198,000円/年523,600円舞台美術・エンターテインメント
Design Suite264,000円/年676,500円Architect + Landmark + Spotlight統合版
教育版無料—学生・教員向け(商用利用不可)

年間サブスクリプションは月間サブスクリプションに比べて2ヶ月分無料(10ヶ月分の料金で利用可能)となっており、長期利用では年契約が経済的です。サブスクリプションでは常に最新バージョンまたは3バージョン前までが利用でき、バージョンアップ費用が不要です。ネットワーク版(複数ライセンス同時利用可能)も提供されており、大規模設計事務所向けにはFundamentals基本パッケージ5ライセンス同梱で1,969,000円という構成も用意されています。

動作環境・システム要件

Vectorworks 2026の推奨動作環境は以下の通りです(2026年9月現在)。

項目最小要件推奨要件
OSWindows 10/11(64bit)/ macOS 14 SonomaWindows 11 / macOS 15 Sequoia
CPUIntel Core i5 / Apple M1以上Intel Core i7以上 / Apple M2/M3
メモリ16GB32GB以上
GPUDirectX 11対応 / VRAM 8GB以上VRAM 12GB以上(4K・マルチディスプレイ時)
ディスク30-65GBSSD 50GB以上

Maxon Redshiftのリアルタイム可視化機能を活用する場合、GPUの性能が快適性に大きく影響します。VRAM 12GB以上のディスクリートGPU(NVIDIA GeForce RTX 4070以上等)が推奨されます。Apple Siliconネイティブ対応のため、M1/M2/M3/M4搭載のMacでは従来のIntel Macより大幅に高速に動作します。大規模BIMプロジェクトやLandmark(ランドスケープ)での広域モデルを扱う場合は、メモリ32GB以上が望ましいです。

Vectorworksの5つの特徴

1. 2D/3D/BIMを単一環境で統合

Vectorworks最大の特徴は、2D作図・3Dモデリング・BIMを1つのソフト内で統合的に扱えることです。AutoCADが基本2D CADで3Dや業界別機能をツールセットで拡張するのに対し、Vectorworksは最初から統合設計環境として設計されています。建築家が概念設計のスケッチから詳細図面、BIMモデル、レンダリング、施工図までを1つのソフトで完結できます。

2. Maxon Redshift搭載のリアルタイム可視化

プロフェッショナル向けのGPUレンダラーMaxon Redshiftを標準搭載しており、物理ベースの光・影・マテリアルをリアルタイムでプレビューできます。設計変更の反映を即座に高品質なビジュアルで確認でき、クライアントへのプレゼンテーションでも説得力のあるイメージを作成可能です。

3. JW_cadファイル取り込み対応(2026新機能)

Vectorworks 2026の新機能として、Jw_cadファイル(JWW形式)のドラッグ&ドロップ取り込みに対応しました。Architect/Landmark/Spotlightの各エディションで利用可能で、日本国内のJw_cadユーザーからの移行や他事務所とのデータ連携が大幅に簡易化されました。国内で広く使われているJw_cadとの連携強化は、日本市場へのコミットメントを示す重要な機能追加です。

4. サステナビリティ・フェージング機能

LEED・BREEAM認証対応のサステナビリティダッシュボードを搭載しており、設計段階でのエネルギー性能・炭素排出量・材料使用量などを可視化・管理できます。フェージング機能では改修プロジェクトで「既存・新規・解体・移設・仮設」といった段階ごとのオブジェクト管理が可能で、段階ごとの図面を自動生成できます。これらは近年の建築設計に求められる環境配慮・リノベーション案件への対応として重要な機能です。

5. 業界特化エディション(Architect/Landmark/Spotlight)

Vectorworksは業務領域に応じた3つの特化エディションを提供しています。Architectは建築設計・BIM、Landmarkはランドスケープ・造園、Spotlightは舞台美術・照明設計・エンターテインメント向けに最適化されています。Spotlightは特に照明シミュレーションやリギングプランなど舞台業界に特化した機能を持ちます。Design Suiteは3エディションを統合した最上位版です。

Vectorworksについての編集部の見解

Vectorworksは、デザイン志向の設計者に合うCADソフトです。エンジニアリング的な正確性よりも創造的デザイン表現を重視する建築家、ランドスケープデザイナー、インテリアデザイナー、舞台デザイナーに愛用されており、国内外の著名デザイナーの使用事例も多く見られます。

コスト面では、Architect年額198,000円でBIM機能を含めた統合環境が得られる点で費用対効果が高いと評価できます。Design Suite年額264,000円は複数業務領域を扱う大規模事務所向けに、3つの特化機能を1つのライセンスで揃えられる合理的な選択肢です。教育機関向けには無料の教育版も提供され、学習時点からの習得を支援しています。

制約としては、エンジニアリング系(機械・電気・プラント等)の業界別機能は弱く、製造業での利用には向きません。また、DWG形式との互換性は年々向上していますが、最新のAutoCAD固有機能(AutoLISPカスタマイズ、ダイナミックブロックの複雑な挙動等)の100%再現は難しいケースもあります。

建築設計・ランドスケープ・舞台美術・インテリアなど、デザイン創造性を重視する設計者に向くCADです。Mac環境で本格的なBIMを扱いたい場合にも選択肢になります。

Vectorworksの良い点・気になる点(編集部のまとめ)

良い点

  • 2D/3D/BIMを1つのソフトで完結できる統合環境が、設計の自由度と効率性の両立を実現しているという評価が多く聞かれます。
  • Mac環境でもApple Siliconネイティブで快適に動作する点が、Mac愛用の建築家・デザイナーから支持されています。
  • Maxon Redshiftのリアルタイムレンダリングがクライアントプレゼンの場で即座に効果を発揮し、商談の品質向上に繋がるという声が挙がります。
  • AutoCADから移行した事務所では、「デザイン表現の自由度が高い」「建築家の発想を阻害しない操作性」という評価で定着しているケースが見られます。

気になる点

  • 機械設計や製造業向けの業界別機能が弱く、エンジニアリング用途には別途CADが必要との指摘があります。
  • 年額198,000円(Architect)以上のライセンス費用は、Jw_cadを使っていた個人建築士にとっては大きな負担増となるケースがあります。
  • 国内では操作ノウハウの書籍・動画教材が少なく、学習時の情報源が限定的という声があります。

まとめ

Vectorworksは、2D作図・3Dモデリング・BIMを統合した汎用CADソフトで、デザイン志向の建築家・ランドスケープデザイナー・舞台美術家・インテリアデザイナーから支持されています。2026年版ではJW_cadファイル取り込みやサステナビリティダッシュボードなど、日本市場と現代の設計ニーズに応える新機能が追加されました。

年額132,000円(Fundamentals)からの料金体系は、業務領域に応じたエディションが選べる柔軟性を備えています。Mac環境で本格的なBIMを扱いたい設計者、デザイン創造性を重視する建築家、ランドスケープや舞台美術など特化業務を営むデザイナーにとって、Vectorworksは検討する価値のあるツールです。

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編集部評価の詳細

Vectorworksは、公式の情報をもとに編集部が4軸で評価しました。 各項目の判断根拠を以下に記載します。

使いやすさ

使い始めやすさ・分かりやすさ

3.7 / 5.0

2D/3D/BIMを単一環境で統合しているため、概念設計から詳細図・レンダリング・施工図までを1本のソフトで進められ、AutoCADからの移行者からは「デザイン表現の自由度が高く発想を阻害しない操作性」と評価されている。一方で国内では書籍や動画などの教材が少なく、学習時の情報源が限定的という指摘もあるため、習得のしやすさは中程度にとどまる。

機能

できることの幅・用途への合い方

4.2 / 5.0

2D作図・3Dモデリング・BIMを単一環境で統合し、Maxon Redshiftによるリアルタイム可視化、Architect/Landmark/Spotlightの業界特化エディション、サステナビリティダッシュボードやフェージングなど、設計を幅広くカバーする機能を備える。2026年版ではJw_cadファイルのドラッグ&ドロップ取り込みも加わった。機械・電気・プラントなどエンジニアリング系の業界別機能は弱いものの、それを除けば機能面の充実度は高い。

サポート

問い合わせ先・情報の多さ

4.0 / 5.0

日本国内はエーアンドエー株式会社が総代理店としてサポート・販売を担い、日本語に完全対応している。サブスクリプションでは常に最新または3バージョン前までを追加費用なく利用でき、2026年版のJw_cad連携などデザインCADとして日本市場に向けた継続的な機能追加も見られる。国内教材の少なさは残るものの、公式のサポート・提供体制は安定している。

コスパ

価格と中身の釣り合い

3.6 / 5.0

Architectエディションは、BIMを含む統合環境が1本で得られる点で費用対効果は評価できる。教育版は無料で提供され、学習段階からの習得を支えている。一方でサブスクリプションの費用はJw_cadを使ってきた個人建築士には負担増となる場合があり、コスト評価は中程度となる。

評価基準の全体像は 評価について をご覧ください。