はじめに
建築BIMソフト選びの代表的な悩みが「ArchiCAD か Revit か」です。どちらも世界的に使われるBIMの定番で、意匠設計から施工・維持管理までを3Dモデルベースで扱えます。本記事では編集部の実務目線で、どちらをどんな人・組織が選ぶべきかを整理します。
ワークフローの違い
ArchiCAD
グラフィソフトのBIMで、意匠設計者にとって直感的な操作性が魅力です。デザイン段階からモデルを起こしやすく、平面・断面・立面・3Dが連動します。Mac/Windows両対応で、OPEN BIM(IFC)を重視し、他ソフトとのデータ連携を前提にした設計思想です。意匠設計事務所・アトリエ系での採用が多い傾向です。
Revit
オートデスクのBIMで、大規模プロジェクト・多分野統合の業界標準です。意匠だけでなく構造・設備(MEP)を同一プラットフォームで扱え、ファミリ(パラメトリック部品)による標準化・自動化に強みがあります。Windows専用で、ゼネコン・組織設計事務所・海外案件での採用が多い傾向です。
価格・ライセンスの比較
- ArchiCAD: サブスクリプション(年額の高額帯)。教育版・ソロ向けプランもあり
- Revit: サブスクリプション(年額の高額帯)。AEC Collection に含まれる形での導入も一般的
どちらも本格運用は高額サブスクが前提です。価格は変動するため、最新は各公式・代理店で確認してください(2026年6月時点)。円換算ではなく各社の提示価格・プランで比較するのが確実です。
機能・対応領域の比較
| 観点 | ArchiCAD | Revit |
|---|---|---|
| 意匠設計の直感性 | ◎ | ○ |
| 構造・設備(MEP)統合 | △(連携前提) | ◎ |
| 大規模・多人数の協働 | ○ | ◎ |
| パラメトリック・標準化 | ○ | ◎ |
| Mac対応 | ◎ | ✕(Windowsのみ) |
| OPEN BIM(IFC)志向 | ◎ | ○ |
Revit は構造・設備まで1プラットフォームで統合できる点が大規模で強く、ArchiCAD は意匠設計の直感性と Mac 対応・OPEN BIM 志向が強みです。
学習コスト
- ArchiCAD: 意匠設計者にとって比較的とっつきやすい。デザインの流れで操作を覚えやすい
- Revit: 機能が広く習得の負荷は重めだが、書籍・講座・求人が豊富で学べば応用範囲が広い
求人・案件数は Revit(とくに大規模・海外)が多い一方、国内の意匠系では ArchiCAD の採用も根強くあります。
編集部の判定
ArchiCAD がおすすめの人・組織
- 意匠設計が中心のアトリエ・設計事務所
- Mac環境で設計したい
- OPEN BIM(IFC)で他ソフトと連携する前提
Revit がおすすめの人・組織
- 大規模案件・ゼネコン・組織設計で多分野を統合したい
- **構造・設備(MEP)**まで同一プラットフォームで扱いたい
- 業界標準・求人の多さ・海外案件を重視する
まとめ
「意匠設計の直感性・Mac・OPEN BIM」なら ArchiCAD、「大規模・構造/設備統合・業界標準」なら Revit が王道です。組織の規模・扱う分野・既存の社内標準で選ぶのが失敗しないコツです。BIMソフト全体の比較は 法人導入向けBIMソフト比較 もご覧ください。
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