建築3DCGの制作環境を整えたい人に向けて、PC本体のまわりで使う周辺機器を比較しました(2026年9月現在)。モニター、ペンタブ、入力デバイス、NASとストレージ、UPS、ドック、プリンタの順に並べています。
建築3DCG向け周辺機器とは
建築パースの制作で、PC本体のほかに使う機器です。モニターはパースの色と細部を確かめ、ペンタブやiPadはスケッチやレタッチに、入力デバイスは操作の手数を減らすのに使います。NASやUPSは、複数の人で作業する事務所で、データの共有と停電への備えに使います。
この記事のうち、ブランドやシリーズの単位で紹介している製品は、機種によって価格と仕様が違います。本文では、公式サイトで価格と仕様を確かめた機種を例に挙げています。
失敗しない周辺機器の選び方
機器を選ぶときに見る点は、次の5つです。
- モニターは色の範囲とつなぎ方で選ぶ:印刷や写真と色を合わせるなら、Adobe RGBのカバー率とキャリブレーションの方法を見ます。ノートPCとつなぐなら、ThunderboltやUSB-Cで映像と給電を1本で送れるかを見ます。
- ペンは使うソフトと端末で選ぶ:iPadでスケッチするならApple Pencil Proと対応するiPadを、PCのソフトで使うならペンタブを選びます。
- 入力デバイスは操作の数を減らせるか:よく使う操作をボタンに割り当てられるかを見ます。
- データは共有するか、1台で速く使うか:複数の人で共有し自動でバックアップするならNAS、1台のPCで大きなデータを速く扱うならThunderboltの外付けストレージです。
- 停電への備え:UPSは、つなぐ機器の消費電力より大きい容量(VA・W)を選びます。
評価方法
中分類「周辺機器」の製品を、モニター、ペンタブ、入力デバイス、NASとストレージ、UPS、ドック、プリンタの7つの種類に分けました。種類ごとに4軸の平均の上位2件(プリンタは1件)を選び、その順に並べています。平均が同じ製品は、使いやすさの高い順です。
4軸は、使いやすさ(設置と操作のしやすさ)、機能(性能と拡張性)、サポート(保証・ドライバ・問い合わせ)、コストパフォーマンス(価格に対する内容)で、編集部が各社の公式の仕様をもとに評価しました。価格は2026年9月に各社の公式サイトで確認したもので、公表していない製品は販売店で異なると書いています。
建築3DCG向け周辺機器 比較一覧(4軸スコア+価格)
| 製品 | 種類 | 総合 | 使 | 機 | サ | コ | 価格の例(2026年9月) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Dell UltraSharp | モニター | ★4.2 | 4.3 | 4.1 | 4.3 | 4.2 | U2725QE 102,886円 |
| EIZO ColorEdge | モニター | ★4.2 | 4.2 | 4.6 | 4.6 | 3.5 | CS2400S 92,510円 |
| Apple Pencil Pro | ペンタブ | ★4.2 | 4.6 | 4.2 | 4.3 | 4.0 | 23,800円 |
| iPad Pro (M5) | ペンタブ | ★4.2 | 4.7 | 4.5 | 4.4 | 3.3 | 209,800円から |
| Logicool MXシリーズ | 入力デバイス | ★4.3 | 4.6 | 4.2 | 4.3 | 4.3 | MX Master 4 21,890円 |
| Elgato Stream Deck | 入力デバイス | ★4.1 | 4.4 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | MK.2 ¥24,180 |
| Synology NAS | NAS | ★4.1 | 4.2 | 4.3 | 4.2 | 3.9 | 販売店で異なる |
| OWC ストレージ | ストレージ | ★3.9 | 4.0 | 4.1 | 4.0 | 3.7 | 機種で異なる |
| APC Smart-UPS | UPS | ★4.1 | 4.0 | 4.3 | 4.4 | 3.8 | 販売店で異なる |
| オムロン UPS BY/BNシリーズ | UPS | ★4.1 | 4.1 | 3.9 | 4.3 | 4.1 | BY50S 47,410円 |
| CalDigit TS4 | ドック | ★4.2 | 4.3 | 4.6 | 4.0 | 3.9 | $379.99(米国) |
| OWC Thunderbolt Dock | ドック | ★4.0 | 4.2 | 4.1 | 3.9 | 4.0 | $229.99(米国) |
| 大判プリンタ | プリンタ | ★3.5 | 3.2 | 3.9 | 3.8 | 3.2 | SC-T3750E 417,900円(税別) |
円の価格は、とくに書いていないものは税込です。総合はLogicool MXシリーズの4.3が最も高く、機能はEIZO ColorEdgeとCalDigit TS4の4.6、サポートはEIZO ColorEdgeの4.6が最も高い点です。
建築3DCG向け周辺機器 おすすめランキング
各製品の価格と仕様は、2026年9月に各社の公式サイトで確認したものです。
1位:Dell UltraSharp
27インチ4Kで、Thunderbolt 4で最大140Wの給電ができるU2725QEなど、ノートPCとつなぎやすい機種がそろうシリーズ
ノートPCとつないで4Kで作業するなら Dell UltraSharp です。Dellのモニターのシリーズで、たとえばU2725QEは27インチ・4K(3840×2160)で、Thunderbolt 4のケーブル1本でPCに最大140Wを給電できます。Dellの公式ストアの価格は102,886円(税込・配送料込)です。
強み
- U2725QEは27インチ4Kで、Thunderbolt 4で最大140Wを給電
- ノートPCとケーブル1本でつなげる機種がある
- 使いやすさ4.3・コスパ4.2
弱み
- 色の管理の機能は、EIZO ColorEdgeのほうが充実している(機能4.1)
- 機種が多く、サイズ・解像度・接続を見比べる必要がある
こんな人に:ノートPCで4Kのモニターを使い、ケーブルをまとめたい人。向かない人:印刷と色を厳密に合わせたい人。
2位:EIZO ColorEdge
色の管理に特化したシリーズ。CS2400SはAdobe RGBの99%をカバーし、CGシリーズはキャリブレーションセンサーを内蔵する
パースの色を印刷や写真と合わせるなら EIZO ColorEdge です。色の管理に特化したEIZOのシリーズで、CS2400SはAdobe RGBの99%をカバーし、EIZOダイレクトの価格は92,510円(税込)です。CGシリーズはキャリブレーションセンサーを内蔵し、色の調整を自動で行えます。機能とサポートはどちらも4.6です。
強み
- CS2400SはAdobe RGBの99%をカバー
- CGシリーズはキャリブレーションセンサーを内蔵
- 機能4.6・サポート4.6
弱み
- コスパ3.5で、この記事のモニターでは低いほう
- CSシリーズでキャリブレーションするには、外付けのセンサーが要る
こんな人に:パースを印刷して提出する人、写真の合成で色を合わせたい人。向かない人:色の管理よりも価格を優先したい人。
3位:Apple Pencil Pro

筆圧と傾きを検知し、スクイーズやバレルロールで操作を切り替えられるiPad用のペン(23,800円・2026年9月現在)
iPadでスケッチやレタッチをするなら Apple Pencil Pro です。筆圧と傾きを検知し、ペンを握るスクイーズや、ペンを回すバレルロールで操作を切り替えられます。Appleの価格は23,800円です。使えるのはiPad Pro(M4以降)、iPad Air(M2以降)、iPad mini(A17 Pro)などで、先に手元のiPadが対応するかを確かめます。
強み
- 筆圧・傾き・ホバーに対応
- スクイーズとバレルロールで操作を切り替えられる
- 使いやすさ4.6
弱み
- 対応するiPadが限られる
- WindowsやMacのソフトでは使えない
こんな人に:対応するiPadを持っていて、現場や打ち合わせでスケッチしたい人。向かない人:PCのソフトでペンを使いたい人。
4位:iPad Pro (M5)

M5チップを積むiPad。11インチは209,800円、13インチは269,800円からで、Apple Pencil Proと組み合わせてスケッチに使える
スケッチと資料の確認を1台で持ち歩くなら iPad Pro (M5) です。M5チップを積むiPad Proで、Appleの価格は11インチが209,800円から、13インチが269,800円からです。Apple Pencil Proと組み合わせて、スケッチやレタッチに使えます。使いやすさ4.7は、この記事の13製品で最も高い点です。
強み
- M5チップを積む
- Apple Pencil Proに対応
- 使いやすさ4.7
弱み
- 209,800円からで、コスパは3.3
- Apple Pencil Proは別売り
こんな人に:現場や打ち合わせで、スケッチと図面・パースの確認をしたい人。向かない人:予算を抑えてペン入力を始めたい人(PCにつなぐペンタブのほうが安い機種がある)。
5位:Logicool MXシリーズ
マウスのMX Master 4(21,890円)やキーボードのMX Keys Sなど、3台のPCを切り替えて使える入力機器のシリーズ
毎日のモデリングの操作を楽にするなら Logicool MXシリーズ です。ロジクールのマウスとキーボードのシリーズで、マウスのMX Master 4は21,890円(税込)です。BluetoothやLogi Boltで、3台のPCを切り替えて使えます。総合4.3は、この記事の13製品で最も高い点です。
強み
- 3台のPCを切り替えて使える
- マウスとキーボードを同じシリーズでそろえられる
- 総合4.3
弱み
- Logi Boltのレシーバーが別売りの機種がある
- 3Dの視点の操作は、3Dconnexionなどの専用の機器のほうが向く
こんな人に:デスクトップとノートPCを行き来して作業する人。向かない人:3Dの視点を専用の機器で動かしたい人。
6位:Elgato Stream Deck
よく使う操作をボタンにまとめるなら Elgato Stream Deck です。液晶のボタンに、ソフトの操作やショートカットを割り当てられます。MK.2は15ボタンで、Elgatoの日本の公式ストアの価格は¥24,180です。
強み
- 液晶のボタンに割り当てた操作が表示される
- ボタンの数が違う機種がある
- 使いやすさ4.4
弱み
- 割り当てる操作は自分で設定する必要がある
こんな人に:ソフトの操作やショートカットをボタンで呼び出したい人。向かない人:割り当ての設定に時間をかけたくない人。
7位:Synology NAS

データを共有してバックアップするNAS。4ベイのDS925+は2.5GbEを備え、M.2 NVMeのSSDも使える
事務所でデータを共有し、自動でバックアップするなら Synology NAS です。SynologyのNASのシリーズで、4ベイのDS925+はAMD Ryzen V1500B(4コア8スレッド)、4GBのDDR4 ECCメモリ、2.5GbEを備え、M.2 NVMeのSSDをキャッシュやストレージに使えます。価格は販売店で異なります。
強み
- DS925+は2.5GbEを備える
- M.2 NVMeのSSDを使える
- 機能4.3
弱み
- 本体とは別にHDDやSSDを用意する必要がある
- 価格は販売店で異なる
こんな人に:複数の人でプロジェクトのデータを共有する事務所。向かない人:1台のPCでデータを速く読み書きしたい人。
8位:OWC ストレージ
Thunderboltでつなぐ外付けのストレージ。Envoy UltraはThunderbolt 5で6,000MB/sを超える速度で読み書きできる
1台のPCで大きなデータを速く扱うなら OWC ストレージ です。OWCのThunderboltでつなぐ外付けのストレージのシリーズで、持ち運べるSSDのEnvoy UltraはThunderbolt 5で、6,000MB/sを超える速度で読み書きできます。複数のドライブを入れてRAIDを組めるThunderBayもあります。
強み
- Envoy UltraはThunderbolt 5で6,000MB/sを超える
- 持ち運べるSSDと、RAIDを組めるケースの両方がある
- 使いやすさ4.0・サポート4.0
弱み
- Thunderbolt 5の速度を出すには、PC側の対応が要る
こんな人に:大きなプロジェクトのデータを持ち運び、速く開きたい人。向かない人:複数の人でデータを共有したい人。
9位:APC Smart-UPS
正弦波で出力するラインインタラクティブ方式のUPS。SMT750Jは750VA/500Wで、事務所のPCとNASに使える
停電や瞬間的な電圧の低下から機器を守るなら APC Smart-UPS です。シュナイダーエレクトリックのUPSで、SMTシリーズは正弦波で出力するラインインタラクティブ方式です。SMT750Jは750VA/500Wで、事務所のPCやNASに合わせて容量を選べます。価格は販売店で異なります。サポート4.4は、この記事のUPSで高いほうです。
強み
- 正弦波で出力するラインインタラクティブ方式
- 容量の違う機種がそろう
- サポート4.4
弱み
- 価格は販売店で異なる
こんな人に:事務所のPCやNASを停電から守りたい人。向かない人:希望小売価格を見て選びたい人。
10位:オムロン UPS BY/BNシリーズ
価格を見て国産のUPSを選ぶなら オムロン UPS BY/BNシリーズ です。オムロンは希望小売価格を公開していて、常時商用給電方式のBY50S(500VA)は47,410円、BY120S(1200VA)は101,310円、ラインインタラクティブ方式のBN150T(1500VA)は184,580円(いずれも税込)です。
強み
- 希望小売価格を公開している
- 小さな容量から大きな容量まで機種がそろう
- コスパ4.1
弱み
- BYシリーズは常時商用給電方式で、BNシリーズとは方式が違う
こんな人に:価格を比べて、容量に合うUPSを選びたい人。向かない人:UPSの方式を気にせず、ひとつのシリーズで選びたい人。
11位:CalDigit TS4

18ポートで、ノートPCに最大98Wを給電するThunderbolt 4のドック。2.5GbEとSD・microSDのカードリーダーも備える
ノートPCに1本のケーブルで機器をまとめるなら CalDigit TS4 です。Thunderbolt 4のドックで、18ポートを備え、ノートPCに最大98Wを給電します。Thunderbolt 4は3ポート、DisplayPort 1.4、2.5GbE、SD・microSD(UHS-II)のカードリーダーを備えます。米国の公式ストアの価格は$379.99です。
強み
- 18ポートで、最大98Wを給電
- 2.5GbEとSD・microSDのカードリーダー
- 機能4.6
弱み
- $379.99で、この記事のドックでは高いほう
こんな人に:ノートPCで、モニター・LAN・カードリーダーをまとめて使いたい人。向かない人:つなぐ機器が少ない人。
12位:OWC Thunderbolt Dock
価格を抑えてThunderboltのドックを選ぶなら OWC Thunderbolt Dock です。11-Port Thunderbolt Dockは、Thunderboltを3ポート、USB-Aを備え、PCに最大96Wを給電します。ギガビットイーサネットとSDカードリーダーもあります。米国の公式ストアの価格は$229.99です。
強み
- 最大96Wを給電
- $229.99で、この記事のドックでは安いほう
- 使いやすさ4.2
弱み
- LANはギガビットで、CalDigit TS4の2.5GbEより遅い
こんな人に:必要なポートを、価格を抑えてそろえたい人。向かない人:2.5GbEのLANが要る人。
13位:大判プリンタ
図面やパースを大きな用紙に出力するプリンタ。エプソンのSC-T3750Eは24インチで、標準価格は417,900円(税別)
図面やパースを大きな用紙に出力するなら 大判プリンタ です。エプソンのSureColor SC-Tシリーズは、CADやポスターの出力に向く大判のプリンタで、24インチのSC-T3750Eは標準価格417,900円(税別)です。キヤノンのimagePROGRAFやHPのDesignJetも、同じ用途の機種です。
強み
- 図面やパースを大きな用紙に出力できる
- CADとポスターの両方の用途に使える
- 機能3.9
弱み
- SC-T3750Eで417,900円(税別)と高価
- 本体のほかに、ロール紙やインクの費用がかかる
こんな人に:図面やパースを事務所で大きく出力する設計事務所。向かない人:出力の回数が少なく、出力サービスで足りる人。
その他の周辺機器
種類ごとに、より多くの製品を比べた記事があります。
- 建築3DCG・建築パース向けカラーマネジメントモニターおすすめ比較ランキング8選:EIZO ColorEdge・BenQ・ASUS ProArtなどを機種ごとに比べています。
- 建築3DCG・イラスト向けペンタブレットおすすめ比較ランキング8選:Wacom・HUION・XP-PENの液タブと板タブを比べています。
- 建築3DCG・CAD作業を効率化する入力デバイスおすすめ比較ランキング8選:3DconnexionのSpaceMouseやTourBoxなどの左手デバイスも比べています。
- 建築・3DCG制作データ向けNASおすすめ比較ランキング7選:Synology・QNAP・ASUSTOR・バッファローのNASを機種ごとに比べています。
タイプ別おすすめ
- ノートPCと4Kモニターをケーブル1本で:Dell UltraSharp
- 印刷と色を合わせる:EIZO ColorEdge
- iPadでスケッチ:Apple Pencil Pro、iPad Pro (M5)
- 毎日の入力を楽に:Logicool MXシリーズ
- よく使う操作をボタンに:Elgato Stream Deck
- 事務所でデータを共有:Synology NAS
- 1台で大きなデータを速く:OWC ストレージ
- 停電への備え:APC Smart-UPS、オムロン UPS BY/BNシリーズ
- ノートPCに機器をまとめる:CalDigit TS4、OWC Thunderbolt Dock
- 図面やパースを大きく出力:大判プリンタ
選ぶときの注意点
ブランドやシリーズで紹介した製品は、機種によって価格と仕様が大きく違います。価格の例に挙げた機種と、自分が使う機種の仕様を見比べてから選びます。
米ドルの価格は、米国の公式ストアの価格です。日本での価格は販売店で異なります。
まとめ
建築3DCG向けの周辺機器は、足りないところから選びます。色を合わせるならEIZO ColorEdge、ノートPCで4Kの作業をするならDell UltraSharp、スケッチならApple Pencil ProとiPad Pro、毎日の入力ならLogicool MXシリーズが候補です。事務所では、データの共有にSynology NAS、停電への備えにAPCかオムロンのUPSを選びます。
出典:各製品の公式サイト(Dell・EIZO・Apple・ロジクール・Elgato・Synology・OWC・シュナイダーエレクトリック・オムロン・CalDigit・エプソン。本文の各製品リンク先を参照)。価格・仕様は2026年9月時点のもので、変わる場合があります。